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韓国語能力試験(TOPIK)の쓰기(作文)で使うべき文体(한다体)

2020-01-29ご自身の語学習得に関して,外国語試験関連,韓国語の試験,韓国語学習に関して学習ノウハウ,試験ノウハウ,韓国語情報,韓国語試験

*本記事はすべて読むのに約8分かかります。緑枠の目次より読みたい箇所へお進みください。

これまで韓国語能力試験(TOPIK)で使えるテクニックをいくつか記事にさせていて、下記にまとめています。

韓国語能力試験(TOPIK)のテクニック、コツがわかります

今回は韓国語能力試験(TOPIK)の쓰기での高得点に必須である『文体』について記事にしようと思います。

韓国語は英語とは違い、述語の書き方に多くの種類があります。普段、意識はしないですが、日本人も述語の種類が多い文化で生きているんですよね。

当記事では日本語との対比を交え、韓国語能力試験(TOPIK)で使うべき文末表現を見てみたいと思います。

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1. 日本語の文末表現

普段使っている日本語の文がどのような語尾になっているか少し考えてみましょう。適当に下記のような文を考えてみました。

語尾①友達同士の場合
・今は株価が安いよ
・テニスラケット持ってるよ
・この問題の解答、わかんねえ
・部長が資料早く作れと言ってるよ

語尾②目上の人の場合
・今は株価が安いですね
・テニスラケットを持っています
・この問題の解答がわかりません
・部長が資料を早く作るよう言っておられます

語尾③ニュース系
・今は株価が安いです
・テニスラケットを持っています
・この問題の解答がわかりません
・部長が資料を早く作るよう言っています

語尾④小説、論文系
・今は株価が安い
・テニスラケットを持っている
・この問題の解答がわからない
・部長が資料を早く作るよう言っている

どの部分も前半部分は一緒で、文末の表現が違います。見比べてみると、語尾によって受ける印象が変わりますね。

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2. 韓国語能力試験(TOPIK)の쓰기(作文)で使うべき文体

日本語では上記のような使い分けがあるわけです。その上で下記のような問題が出たらどの文体を選択しますか?

〈問題1〉( A )と( B )にそれぞれ入るものを一文で書きなさい。

Q&A
掲示板     
件名:図書館を利用したいです
作成者:タネ(2018-10-20)
 韓国大学を卒業した学生ですが図書館を利用したいです。
 先輩に聞いてみると卒業生が図書館を利用するなら許可証が( A )。
 許可証を作るには( B )?
 作成方法を連絡いただけるとありがたいです。

〈解説1〉
これを見る限り、インターネットのQ&Aのページですね。タネさんが問い合わせとして掲示板にあげたようです。本文の文体は語尾①~④のどれになっているでしょうか?

語尾①、④ではなさそうですね。インターネットの掲示板であることを考えると②がよさそうですね。従って回答としては②の文体を使って書くのが自然です。例えば

A.必要であると聞きました
B.どのようにしたらよいのでしょうか

といった回答がよいのではないでしょうか。
それでは次の問題を見てみましょう。

〈問題2〉
最近の子供は学校に入る前の幼い頃から、楽器や外国語等、さまざまな教育をすることが多い。このような早期教育は良い点もあるが問題点もある。下記の内容を中心に早期教育の長所と問題点に対する自身の意見を書きなさい。
・早期教育の長所はなんであるか?
・早期教育の問題点はなんであるか?
・早期教育に賛成か反対か?根拠を挙げ自身の意見を書きなさい。

〈解説2〉
こちらの問題文では①~④のどの語尾を使っているでしょうか?①、②ではないことはわかると思います。

最初の文である「最近の子供は学校に入る前の幼い頃から、楽器や外国語等、さまざまな教育をすることが多い。」は語尾③と④のどちらに近いでしょうか。

語尾を見ると形容詞「多い」で終わっており、「今は株価が安い」に近いことがわかると思います。

従って小説、論文系の④を使うのが適切です。

実はこれらの2つの問題は、第60回 韓国語能力試験(TOPIK Ⅱ)の쓰기(作文)の問題です。実際の試験はすべて韓国語ですので、それを小職が和訳したものです。

日本語で文体を合わせるのと同じように、韓国語でも文体を合わせる方が高得点につながるはと考えられます。韓国語能力試験では語尾②と語尾④の文体で書くことが一般的です。

語尾②と語尾④はそれぞれ上称体(または합니다体)、下称体(한다体)と呼ばれます。韓国語能力試験(TOPIK)の쓰기ではこれら上称体(합니다体)と下称体(한다体)を操れるようになることが重要です。

上称体(합니다体)は割りとわかりやすいので、本記事では下称体(한다体)の作り方を解説します。韓国語能力試験(TOPIK)の쓰기の得点だけを考えた場合、下称体(한다体)が最も重要なのですが、初級の文法を解説した本にはあまり下称体(한다体) が載っておらず意外におろそかにしがちです。
→ 上称体(합니다体)を含めた活用は未だ記事にしていませんでした。近いうちに記事にしようと思います。

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3. 한다(下称)体の作り方

下称体は한다体と呼ばれますが、すべての述語が한다の形になるわけではありません。語尾が한다となるのは動詞の一部ですし、形容詞はまた別の形になります。

下記で解説します。

3-1. 動詞の한다(ハンダ)体

まずは動詞の下称体の作り方です。

下称体の作り方は大きく存在詞(있다/없다)、指定詞(이다)、パッチム無しの動詞、パッチム有りのㄹ変則動詞、パッチム有りのㄹ変則動詞以外、で分けるのがわかりやすいです。

3-1-1. 存在詞(있다/없다)の한다体

存在詞を辞書で引く場合は있다/없다を引くことになります。辞書に載っている形を基本形と呼ぶことにします。存在詞を下称体にするとそれぞれ있다/없다となります。基本形と一緒ですね。

例文311-1)「韓国語を読むことができる」 → 「한국어를 읽을 수 있다.」
例文311-2) 「韓国語を読むことができない」 → 「한국어를 읽을 수 없다.」
これで下称体となります。韓国語能力試験(TOPIK)で存在詞の下称体を使うときは있다/없다の形で使うようにしましょう。それでは過去形はどうでしょうか。

例文311-3) 「韓国語を読むことができた」 → 「한국어를 읽을 수 있었다.」
例文311-4) 「韓国語を読むことができなかった」 → 「한국어를 읽을 수 없었다.」
存在詞に限らず過去形の下称体は単に「았다/었다」で終わる形にするとすべて下称体になります。

3-1-2. 指定詞(이다)の한다体

指定詞を辞書で引く場合は이다を引くことになります。指定詞も基本形と下称体が同じになります。

例文312-1) 「これをできないのは子供であるからだ」 → 「이것을 할 수 없는 것은 아이이기 때문이다.」

過去形は「었다」をつけて過去形にすると過去の下称体になります。

例文312-2) 「これをできないのは子供であるからだった」 → 「이것을 할 수 없는 것은 아이이기 때문이었다.」
過去形の下称体はわかりやすいですね。

3-1-3. パッチム無しの動詞の한다体

パッチム無しの動詞としてなんでも良いのですが、小職がよく韓国語能力試験(TOPIK)の쓰기でよく使う「고찰하다」(考察する)と「나타나다」(現れる、明らかになる)を例にとります。

例文313-1) 「長所と短所の観点から考察する」 → 「장점과 단점의 관점에서 고찰한다.」
例文313-2) 「使用者が増えたことが明らかになる」 → 「사용자가 증가한 것으로 나타난다.」
고찰하다が고찰한다に、나타나다が나타난다になっていることがわかると思います。

このように、パッチム無しの動詞を下称体にする場合は動詞の語幹に「ㄴ」のパッチムをつけたあとに「다」をつけることで下称体にすることができます。過去形は存在詞、指定詞と同じように「았다/었다」で終わるようにします。動詞が「하다」の場合は「였다」になりますが。

例文313-3) 「長所と短所の観点から考察した 」 → 「장점과 단점의 관점에서 고찰하였다.」
例文313-4) 「使用者が増えたことが明らかになった」 → 「사용자가 증가한 것으로 나타났다.」

3-1-4. パッチム有りのㄹ変則動詞の한다体

パッチム有りのㄹ変則動詞としては「만들다」(作る)を例にとりたいと思います。これを下称体にするときは、パッチムの「ㄹ」を「ㄴ」に入れ替えれば作ることができます。

例文314-1) 「韓国料理を作る」 → 「한국 요리를 만든다.」
これを過去形にする場合は基本形である「만들다」を過去形にして「었다」で終わる形にします。

例文314-2) 「韓国料理を作った」 → 「한국 요리를 만들었다.」

3-1-5. パッチム有りのㄹ変則動詞以外の한다体

パッチム有りのㄹ変則動詞以外の動詞としては「돕다」(助ける)を例にとります。これを下称体にするときは語幹に「는다」をつけるだけでOKです。下称体にするときに最も簡単なのはこれですね。

例文315-1) 「隣人を助ける」 → 「이웃사람을 돕는다.」
過去形にする場合は上記の動詞群と同じで、「았다」で終わるようにします。

例文315-2) 「隣人を助けた」 → 「이웃사람을 도왔다.」

例文315-2を違和感なくご理解いただけるでしょうか?「돕다」の活用は少々特殊です。近いうちに活用をまとめますのでそのときに詳しくご説明させていただこうかと思います。

3-2. 形容詞の한다(下称)体

続いて形容詞の下称体をご説明します。形容詞の下称体は基本形と同じになりますので韓国語を辞書で引き慣れている方は有利です。例として「달다」(甘い)と「맛있다」(おいしい)をあげます。

例文320-1) 「砂糖は甘い」 → 「설탕은 달다.」
例文320-2) 「ビビンバはおいしい」 → 「비빔밥은 맛있다.」
「달다」は形容詞のㄹ変則活用ですが、下称体にする場合は基本形のままでOKです。「맛있다」には存在詞が隠れていますが、こちらは下称体にするときは存在詞と同じ変化をしますね。続いて過去形です。過去形はとにかく「았다/었다」で終わる形とするだけです。

例文320-3) 「砂糖は甘かった」 → 「설탕은 달았다.」
例文320-2) 「ビビンバはおいしかった」 → 「비빔밥은 맛있었다.」

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3-3. 否定文の한다(下称)体

否定文にも한다体があります。否定文には「안~」と、「~지 않다/못하다」があります。「못하다」は「하다」と同じなので、「~지 않다」の한다体の作り方をご紹介します。やっかいなことに動詞と形容詞で異なります。

3-3-1. 動詞の否定文の한다体

動詞の否定文で「않다」を使うと、動詞のパッチムありのときの法則に従います。なので않に는다をつけます。過去形も動詞パッチムありのときと同じなので았다をつけます。

例文331-1)「朝ごはんを食べない」→「아침 식사를 먹지 않는다.」
例文331-2)「朝ごはんを食べなかった」→「아침 식사를 먹지 않았다.」

3-3-2. 形容詞の否定文の한다体

形容詞に「않다」がつくと形容詞扱いになるためか、同じ「않다」でも今度は形容詞の法則に従います。なので辞書形のままですね。過去形も았다をつければオッケーです。

例文332-1)「日本は暑くない」→「일본은 덥지 않다.」
例文332-2)「日本は暑くなかった」→「일본은 덥지 않았다.」

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4. まとめ

いかがでしたでしょうか。

韓国語能力試験(TOPIK)の쓰기(作文)で使うべき文体を日本語との対比で考えてみました。日本語も韓国語も語尾を変えるだけで与える印象が異なる言語です。

韓国語能力試験(TOPIK)の쓰기(作文)では小説や論文のような文体(語尾)になるように書くことが重要だと言われています。なので쓰기(作文)で高得点を目指すには上称体に加え、本記事で解説した下称体を使いこなすことが必要条件となります。

また、高得点を目指すためには本番のように原稿用紙で練習することが重要です。その方法や韓国語の原稿用紙の使い方に関しては下記に記事にしています。TOPIKで高得点を目指されている方であれば、一度ご覧いただくとよいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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