韓国語と英語の発音は似ているの?韓国式英語は上手なの?
韓国語の発音って英語と似てない?なんて思われたことはありますか?
もし韓国語と英語の発音が似ているのであれば、韓国人は英語が上手になりやすい!と言えると思いますが果たしてどうなんでしょうか?
当記事では韓国語と英語に詳しいブログの運営者が、韓国語と英語の発音の類似点や相違点を挙げて解説し、韓国人は英語の発音が上手なのかについて考えてみた記事です。
韓国人って英語がうまい気がする、でも違和感も感じたことがある、なんて方に参考になると思います。
目次(この記事の内容)
韓国語と英語の発音の類似点
まず、韓国語と英語の発音の類似点をあげてみましょう。いろいろと考えてみましたが、下記があげられると思います。
- 子音で終える発音の仕方がある
- Lの発音とパッチムㄹが似ている
- 「つ」と「ぜ」の発音がない
ひとつひとつ見ていきましょう!
子音で終える発音の仕方がある(例:TikTok)
まず、英語も韓国語も子音で終える発音が存在します。ここは日本語と大きく違う点でしょう。
例えばTikTokです。
ここで3文字目と6文字目のkは母音を伴わない発音です。言い換えると子音で終える発音、と言うことです。
TikTokを韓国語で書いてみると「틱톡」です。韓国語の読みがわからない方のために、1文字目の「틱」を見てみましょう。
この「틱」は3つのパーツからできており、左上の「ㅌ」、右上の「ㅣ」、下の「ㄱ」から構成されているのがわかると思います。この中で下に置かれている「ㄱ」は実は子音で、これをパッチムと呼びます。発音の仕方は「ク」です。普通のクではなく、母音を伴わない少し弱く発音するクです。少し弱く発音するため、下付き表示にしています。
パッチムについては下記の記事で詳しく解説していますのでよろしければ見てみてください。
韓国語のパッチムがわかります!
話を続けましょう。틱톡の2文字目「톡」の下にも同様に「ㄱ」がついていて、ここでも母音を伴わない「ク」の発音が出てきます。なのでTikTokを意味する韓国語「틱톡」は読み方は「ティクトク」となります。
日本語はどうなのかも考えてみましょう。日本語は「k(母音無)」と「ku(母音有)」の発音が異なる、という概念がありません。また、韓国語のパッチム発音「ク」のような概念もありません。
なのでTikTokは「ティックトック」と発音するしかありません。たとえTikTokが「TikuToku」だったとしても「ティックトック」と読むので違いが出ないですよね(厳密に言うとTikkuTokkuじゃないとティックトックにならないですが)。でも英語や韓国語では「TikTok」と「TikuToku」では読み方は変わるんです。この部分は日本人は発音が苦手なところでしょうね。
広告
Lの発音とパッチムㄹが似ている(例:cell)
続いては「L(エル)」の発音です。母国語が英語の人のエルの発音を聞いたことがありますか?「ル」の部分に日本語にはない音を感じると思います。
例えばcellです。
意味は「細胞」とかエクセルの「セル(数値や文字を入れる枠)」です。よく言われるように、英語では「L」と「R」で発音が違っているので、セルのルの部分が特殊に聞こえるんですよね。
ここはこのブログの運営者含め、日本人が大の苦手な分野です。しかも子音で終わっていますから、日本人が発音できないのは当然なんです。
さて、このcell、韓国語では「셀」と書きます。この文字も先ほどのように読み解いてみると、3つのパーツからできていて、左上の「ㅅ」と右上の「ㅔ」、下の「ㄹ」という構成になっています。韓国語の構成や読み、韓国語の英語表記については下記の記事で取り上げていますのでリンクをご紹介しておきます。
韓国語の構成や読み方、英語表記について解説しています!
셀の下の部分にある「ㄹ」。これもパッチムの1つで、発音は「ル」です。ここでも弱く発音するので下付きで表しています。「ル」ではなく「ル」です。なので셀は「セル」と発音します。ルの部分は英語の「L」の発音と似ています。
日本語のら行と比較してみましょう。
日本語のらりるれろは、上あごに舌がつきますが、その時間は一瞬です。試しに「る」を発音してみてください。
上あごに舌はつきますが、一瞬ですよね?cellのように英語の子音で終わる「L」の発音や韓国語のパッチム「ㄹ」は上あごに舌がつく時間が日本語の「る」より長いです。
試しに「る」を発音したときに舌を上あごから離さずに言ってみてください。それが子音で終わる「L」やパッチム「ㄹ」の発音です。日本人には違和感がありますね(笑)
というわけでLの発音も日本人に比べ韓国人の方が間違いなく上手でしょう。
広告
「つ」と「ぜ」の発音がない(例:Mitsubishi)
次は「つ」や「ぜ」の発音が無い、というのが共通点です。英語は少し微妙ですが。
「ぜ」はzeに対応しますが、zeであればzero(読み:ズィロ)のようにズィになることが多いです。イギリスではZをゼッドゥと言うので「ぜ」と言うことはできます(アメリカではZはズィィ)。
別の例としてMitsubishiをあげてみます。日本を代表する会社である三菱グループです。日本人は「みつびし」とあっさり発音できます。でもこれ、実は結構すごいことです。
英語圏の人を考えてみましょう。英語圏の人は「つ」を発音することはできます。例えば3単現の「s」がついた「eats」はイーツと発音しますからね。
でも三菱の「つ」はtsuです。英語の単語ではtsuが使われるものってあまりありません。tsunami(津波)のように、日本語から英語になったものは例外ですが、純粋な英単語ではtsuって使われない気がします。
また、繰り返しになりますが英語では子音で終わる「ts」と母音で終わる「tsu」では発音が違うことも考慮すると、やはり「つ」は英語圏の人にとって難しい発音なのではないでしょうか。
韓国語ではどうでしょうか。韓国語では「つ」はさらに難しく、練習せずに発音できる人はほぼいません。たいてい「ちゅ」になるか「す」になってしまい、「みちゅびし」か「みすびし」のような発音になります。ちなみに韓国語には「ぜ」の発音もなく、「じぇ」になるのが普通です。
このあたりは日本語の方が発音が豊富と言える部分ではないでしょうか。
広告
韓国語と英語の発音の相違点
今度は韓国語と英語の相違点を見てみましょう。挙げてみると下記のようなものがあると思います。
- 韓国語にはF(エフ)の発音がない
- 「A(æ)」の発音が韓国語では「エ」
- 韓国語は濁点から始められない
- 「th」の発音がない
こちらもひとつひとつ解説してみます。
韓国語にはF(エフ)の発音がない(例:fighting)
韓国語には「F(エフ)」の発音がない、というのが大きな特徴です。
Fは日本語では「ふぁ行」ですね。ふぁ行と言えば、ふぁ、ふぃ、ふ、ふぇ、ふぉですね。
さて、韓国語にはFの発音がないと言いました。でも「ふぁ行」はあるんです。「화 휘 후 회 훠」です。この5文字の読みを日本語で書くと「ふぁ ふぃ ふ ふぇ ふぉ」です。
ただ、この読みは英語では「hwa hwi hu hwe hwo」です。日本語では「fa」=「hwa」=「ふぁ」なので区別が無いんですが、英語と韓国語では区別があるんですね。
別の例で言うとfood(フードゥ)のフーとwho(フー)のフーは違うっていう話です。日本語では同じですが。
少し前置きが長くなりました。話を戻すと韓国語にはFの発音がなく、Fの発音はパ行の発音になります。
例えばfightingです。
韓国語でfightingと言えば、がんばれ!の意味ですが、fの発音はパ行になるので読み方はパイティンとなります。ほかにもfamilyはペミルリになります(faの部分が「パ」ではなく「ペ」です。次に解説する「A(æ)」の発音もお読みいただくとわかります)。
「えっ?Fがパ行?」と思われるかもしれませんがホントの話です。ただ、日本人も「fa」=「hwa」=「ふぁ」としてしまっているので、母国語が英語の人にとっては日本人のFも下手に聞こえているはずです。
ちなみにFの韓国語の発音は激音ㅍで表されます。激音については下記で解説しています。
韓国語の激音がわかります!
「A(æ)」の発音が韓国語では「エ」(例:animation)
次は「A(æ)」の発音です。これは英語と韓国語の相違点と言えるのか微妙なところですが。
英語でAはさまざまな発音がありますが、その中でアとエの中間の音であるæ。これ、韓国語では「エ」と発音します。日本語では「ア」と発音しますけれども。
例えばanimationです。
アニメを意味したり、プレゼン資料における文字や図などの動き方を意味する単語ですね。1文字目のaはアとエの中間の発音であるæです。
なので日本語では「アニメーション」ですが、韓国語では「エニメイション」という発音になります。
英語圏の人はæをアに近いととらえているのか、エに近いととらえているのかどっちなんでしょうね。ここではアに近いと考えていると仮定して韓国語と英語での発音が違うものとして挙げてみました。
他にもpassport(パスポート)も同じ理由でペスポトゥと韓国語では発音します。パスポートの意味ではヨックォン(여권)の方が使われるかもしれません。また、先ほどのfamilyはfがパ行、aはæなのでエとなり、ペになります。
韓国語は濁点から始められない(例:doctor)
続いての相違点は、韓国語は濁点から始められない、というものです。英語のTとDの音は違いますが、韓国語では同じ文字で表し、「ㄷ」を使います。
韓国語には複雑なルールがあり、この「ㄷ」が単語の始めにきたときにはDの発音にはなれず、Tの音になってしまいます。
例えばdoctorを見てみます。ドクターですね。医者や、大学の博士課程を修了した方を指しますね。日本語や英語は濁点から始める発音が可能なので、ドクターと言えます。
一方で韓国語は単語の始めに濁点があるDの発音ができないので、「トクト(독터)」という発音になってしまいます。Dの発音ができるのはㄷが2文字目以降に出てきたときです。
他にもG/K、B/P、J/Chにも同じことが言えます。
濁点から始まる英単語の発音に関しては、韓国人より日本人の方が上手と言えるでしょう。
「th」の発音がない(例:August 25th、these)
相違点の最後は「th」の発音です。これには「θ」と「ð」の2つがあります。共通点として舌を上下の歯ではさむ発音、ということですね。
まず「θ」は日付を言うときに使います。例えば8月25日はAugust 25thです。
25thのthの部分は上下の歯で舌をはさんで空気を出す音ですが、これは韓国語にはありません。スに近いのですが、スとは大きく異なります。
「ð」はthese(意味:これら)で使います。「θ」と同様、上下の歯で舌をはさみますがそのときにスッと舌を抜いて濁った音を出します。ズィとかディに近いですが、どちらとも違います。これも韓国語には無いので韓国人は苦手でしょう。
ちなみに日本語にもこの発音は無いので、日本人も苦手です。
ここまでいろいろと英語、韓国語の発音について書いてきました。韓国人の話す英語はコングリッシュと呼ばれ、韓国語のルールが混ざった独特の聞き取りづらさを感じることがあります。そのあたり、下記で取り上げています。当記事と若干重複する部分もありますが、参考までに!
韓国人の話す英語「コングリッシュ」について詳しく解説しています!
広告
韓国人は英語の発音がうまいのか
韓国語と英語の類似点と相違点を考え、韓国人が得意そうな発音と苦手そうな発音を考えてみました。
ここでまとめます。
韓国人は英語の発音がうまいのでしょうか?
結論としては音によって上手に聞こえるものとそうでないものがある、ということでしょう。
☆日本人から見るとうまいと感じるもの
- 子音で終える発音
- 例)TikTokの「k」(k2つとも)
- 「L」の発音(パッチムㄹを使うもの)
- 例)CELLの「L(エル)」
☆日本人から見ると不自然に聞こえるもの
- 「つ」の発音
- 例)Mitsubishiの「tsu」
- 濁点から始まる単語の発音
- 例)doctorの「d」
☆日本人も韓国人も苦手なもの
- 「F」の発音
- 例)fightingの「f」
- 「A(æ)」の発音
- 例)animatlonの「a(æ)」
- 「th」の発音
- 例)August 25th、theseの「th」
英語と韓国語についていろいろ見てみました。日本語以外の言語をいろいろ比較してみるとおもしろいですね!
このように多言語を比較することによってわかることや、多言語学習のメリット/おもしろさを下記の記事でまとめています。ぜひご覧ください!
多言語の比較でいろいろと解説しています。多言語学習のメリットなんかも書いています!
そのほか、当ブログでは韓国語の勉強法や文法に関する記事や英語を中級から上級にあげるための情報をたくさん発信させていただいています。
下記、関連記事になりますのでお時間のあるときに見てみてください!
◯韓国語の勉強に関して
合わせて読むと参考になります!
◯英語に関して
TOEIC 800点を取るための情報が詰まっています!
さいごまでお読みいただきありがとうございました!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません