韓国語(ハングル)のㅂ変則、ㄷ変則、ㅅ変則、ㄹ変則(変則活用)
2022-03-13ご自身の語学習得に関して,韓国語学習に関して学習ノウハウ,活用,韓国語情報
韓国語の不規則活用のうち、ㅂ変則、ㄷ変則、ㅅ変則、ㄹ変則がわかる記事です。
韓国語(ハングル)の用言の活用について全5回に渡ってご説明していて、本記事は第2回目です。今回より変則(不規則)活用に入ります。
前回は正則活用でした。正則活用は名前からもわかるように、正しく規則的に変化するのですが、そのルールから外れた用言(動詞/形容詞)も多く存在します。
本ブログにてご紹介している活用一覧表では活用の種類が29種類あります。1つ前の記事でご紹介した正則活用は⑤番まででした。⑥番以降を順次解説していきます。本記事ではいわゆるㅂ変則、ㄷ変則、ㅅ変則、ㄹ変則を取り上げます。活用表の⑲~㉗までです。すべての用言の活用については下記にまとめておりますので、お時間のあるときにどうぞ!
下記の記事で韓国語の用言全体がわかります!
さて、今回も引き続き韓国語に少し慣れた方向けとして、少々難易度が上がった動詞を使って解説させていただこうと思っております。活用より先にハングルの読み方を教えて!というかたはこちらのハングルの読み方一覧表(韓国語のあいうえお)を見てみてください。また、当記事さいごには練習問題も用意していますので、ぜひ挑戦してみてください!
ここより下の「1. 韓国語(ハングルの)用言の活用の概要と活用表」と 「 2. 述語の成り立ち 」 部分は本ブログの韓国語活用記事へ初めてこられた方への内容で、第1回目と内容は一緒になります。すでにこの辺を読まれた方は、本記事の本題はこちらの3. ㅂ変則活用から始まりますのでクリックで飛んでください。
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1. 韓国語(ハングルの)用言の活用の概要と活用表
『用言』と、小難しい言い方をしていますが、要するに動詞と形容詞のことです。いろいろな覚え方がありますが、日本人にとっては動詞&形容詞の変化形の4つの形(+連体形&下称体)を覚えれば良いです。
4つの変化形 : 第一語基、第二語基、第三語基、第四語基*
*は当ブログで勝手につけたものです。多くの解説は第三語基までです
4つと聞くとやれそうな気がしてきませんか?(実際はその中に不規則活用があってめんどくさいのですが……)まずは下記に表でまとめておきます。ブックマークなどしていただけると便利かと思います。表が切れている場合は横にスクロールできます。
韓国語の用言は規則的に変化する正則活用と、その規則から外れた活用をする変則活用があります。まずはまとめとして活用一覧を下記の表にまとめていますので、ブックマークなどしていただけると便利かと思います。
上記の第一語基~第四語基は動詞と形容詞で変化は一緒です。動詞と形容詞で変わってくるのは、連体形を作るときと下称体を作るときです。連体形と下称体については下記で解説しています。ちなみに下称体は韓国語能力試験(TOPIK)で重要です。
連体形と下称体を解説しています!
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2. 述語の成り立ち
韓国語での述語部分は
動詞又は形容詞の活用形(語幹) + 語
という形になります。日本語でもそうなんですけどね。 日本語での例として、「帰る」を取り上げると
帰ります
帰る
帰らない
帰った
のように使います。
このとき、「かえ(帰)」の部分が動詞の活用形(語幹)で、それ以外は語尾、ということになります。 「寝る」を例にすると、
寝ます
寝る
寝ない
寝た
となり、「ね(寝)」が語幹でそれ以外が語尾です。
上の例のように、語幹は語尾によって変わらない部分をさします。
このとき、「帰る」は「帰ります」なのに、「寝る」は「寝ります」ではないんです。わかりづらいですよね?きっと日本語を勉強している外国人はこんがらがっているはずですよ。普段は意識しませんが、日本人は知らず知らずのうちに活用の世界で生きているのです。
韓国語も同様の世界です。
話はそれますが、英語は違います。「帰る」は「get home」で、「帰ります」も「get home」なんです。便利ですよね。
話を戻すと韓国語の活用は語尾に何が来るかで形が決まり、下記の4つのうちのどれかになります。
第一語基 (動詞や形容詞の語幹にそのままつけるだけ。最もわかりやすい形)
第二語基 (語幹の最後にパッチムがあるときに으や우がついたりパッチムが脱落するもの)
第三語基 (最もいろいろ変化する形。おそらく最も難しい形)
第四語基 (当ブログで勝手につけた名称。上称体である합니다体を作る形。多くの参考書のリスニングはこの形なので第一語基の次に覚えやすい)
第一語基から第四語基に続く活用語尾にはどんなものがあるかは活用関連第一回記事のこちらをご覧いただくとよいです。
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3. ㅂ変則活用
ㅂ変則は3パターンあり、活用表の⑲~㉑にあたります。語幹の末尾がㅂで終わっているものの一部がこの形を採り、입다などㅂで終わっていてもㅂ変則にならないものもあります(입다は正則活用)。ㅂ変則になるものとならないものをどう見分けるか?残念ながら覚えるしかありません。辞書で単語を調べるとㅂ活用なのかそうでないのかが書いてあります。
下記にㅂ変則の3パターンを順に解説していきます。ㅂ活用のみの活用表を⑲のあとに載せておきます。説明と見比べながら読み進めてみてください。
3-1. ⑲돕다系
これはかなり特殊な活用形を取ります。この活用を取るのは動詞では돕다だけで、形容詞では곱다だけです。
第一語基と第四語基は語幹そのままでO.K.です。
第二語基は語幹のパッチムㅂを取って우を追加します。
第三語基は語幹のパッチムㅂをとって와を追加します
例) 돕다 語幹 : 돕 訳 : 助ける
☆第一語基
돕고
☆第二語基
도우면
☆第三語基
도와요.
☆第四語基
돕습니다
(下記表の左右が切れている場合はスクロールできます。)
3-2. ⑳눕다系
これが最も代表的なㅂ活用です。1つ前の⑲돕다系と次の㉑뵙다系は少々特殊ですので、ㅂ変則はまずはここから覚えるとよいです。
第一語基と第四語基は語幹そのままでO.K.です。
第二語基は語幹のパッチムㅂをとって우を追加します。
第三語基は語幹のパッチムㅂをとって워を追加します
例) 굽다 語幹 : 굽 訳 : 焼く
☆第一語基
굽고
☆第二語基
구우면
☆第三語基
구워요
☆第四語基
굽습니다
3-3. ㉑뵙다系
こちらも⑲同様かなり特殊で、この形を取るのは뵙다、여쭙다くらいではないでしょうか。
第一語基と第四語基は語幹そのままでO.K.です。
第二語基は語幹のパッチムㅂをとります。
第三語基は語幹のパッチムㅂをとって어を追加します
例) 여쭙다 語幹 : 여쭙 訳 : 伺う
☆第一語基
여쭙고
☆第二語基
여쭈면
☆第三語基
여쭈어요
☆第四語基
여쭙습니다
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4. ㄷ変則活用
ㄷ変則は2パターンです。活用表の㉒~㉓にあたります。パッチムㄷの前の母音が陽母音か陰母音かで変わります。陽母音であれば㉒닫다(走る)系で、陰母音であれば㉓듣다系です。
語幹の末尾がㄷで終わっているものの一部がこの形を採りますが、닫다のようにㄷで終わっていても、意味によってㄷ変則になるものとそうでないものもあります。「閉める」の닫다は正則活用、「走る」の닫다はㄷ変則活用です。また、묻다も有名で、「埋める」の묻다は正則活用で、「尋ねる」の묻다はㄷ変装活用です。わかりづらいですね。
ㄷ変則になるものとならないものもㅂ変則同様、覚えるしかありません。辞書で単語を調べるとㄷ活用なのかそうでないのかが書いてあります。
下記にㄷ変則の2パターンを順に解説しますので、㉒のあとに載せた活用表と説明とを見比べながら読み進めてみてください。
4-1. ㉒닫다(走る)系
◯◯系には初級単語をあてるようにしていましたが、ここは思い付かず、「走る」の닫다をあてました。「閉める」の닫다(正則活用)との対比で覚えやすいかとも思いましたので………
ここは語幹末尾がパッチムㄷであり、その直前の母音が陽母音である単語群です。繰り返しになりますが、語幹末尾がパッチムㄷで直前の母音が陽母音であっても正則活用するものがありますので、注意してください。
第一語基、第四語基は語幹そのままでOKです。
第二語基はパッチムㄷをㄹに変えて으を追加します。
第三語基はパッチムㄷをㄹに変えて아を追加します。
例) 깨닫다 語幹 : 깨닫 訳 : 悟る
☆第一語基
깨닫겠다
☆第二語基
깨달으라고
☆第三語基
깨달아요
☆第四語基
깨닫습니다
(下記表の左右が切れている場合はスクロールできます。)
4-2. ㉓듣다系
ここは語幹末尾がパッチムㄷであり、その直前の母音が陰母音である単語群です。語幹末尾がパッチムㄷで直前の母音が陰母音であっても正則活用するものがありますので、注意してください。
第一語基、第四語基は語幹そのままでOKです。
第二語基はパッチムㄷをㄹに変えて으を追加します。
第三語基はパッチムㄷをㄹに変えて어を追加します。
例) 붇다 語幹 : 붇 訳 : ふやける
☆第一語基
붇겠다
☆第二語基
불으라고
☆第三語基
불어요
☆第四語基
붇습니다
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5. ㅅ変則活用
ㅅ変則は2パターンです。活用表の㉔~㉕にあたります。㉔と㉕の違いは、パッチムㅅの前の母音が陽母音か陰母音かで、陽母音であれば㉔낫다系、陰母音であれば㉕짓다系です。ㄷ変則活用と分け方は同じですね。
語幹の末尾がㅅで終わっているものの多くはㅅ変則になりますが、中にはㅅで終わっても正則活用の単語もあります。
ㅅ変則になるものとならないものも一つづつ覚えるしかありません。こちらも辞書で調べるとㅅ変則なのかそうでないのかわかります。
㉔のあとにㅅ変則のみの活用表を載せておきますので説明と見比べながら読み進めて見てください。
5-1. ㉔낫다系
これは語幹の最後のパッチムがㅅであり、その直前の母音が陽母音である単語群です。
第一語基、第四語基は語幹そのままでOKです。
第二語基はパッチムㅅを取り、으を追加します。
第三語基はパッチムㅅを取り、아を追加するというルールです。
例) 잣다 語幹 : 잣 訳 : 紡ぐ
☆第一語基
잣겠다
☆第二語基
자으라고
☆第三語基
자아요
☆第四語基
잣습니다
(下記表の左右が切れている場合はスクロールできます。)
5-2. ㉕짓다系
これは語幹の最後のパッチムがㅅであり、その直前の母音が陰母音である単語群です。
第一語基、第四語基は語幹そのままでOKです。
第二語基はパッチムㅅを取り、으を追加します。
第三語基はパッチムㅅを取り、어を追加するというルールです。
例) 젓다 語幹 : 젓 訳 : 振る
☆第一語基
젓겠다
☆第二語基
저으라고
☆第三語基
저어요(감춰요となる場合もあり)
☆第四語基
젓습니다
6. ㄹ変則活用
さて、今回の記事の最後の変則活用です。ㄹ変則活用です。ㄹ変則も2パターンで、語幹最後のㄹ直前の母音が陽母音か陰母音かで区別されます。ㄷ変則やㅅ変則と分け方は一緒ですね。 語幹がパッチムㄹで終わっている単語はだいたいこの㉖알다系か次の㉗の活用をします。
ただ、このㄹ変則活用はなかなか厄介です。活用語尾にㅅかㅂかㄴから始まるものが来た場合は語幹のㄹをなくす必要があります。例えば第二語基の『니까』や敬語の『시』、第四語基の『습니다』などです。これらが来ると語幹のㄹが脱落します。
㉖알다のあとにㄹ変則のみの活用表を載せています。説明と見比べながら読み進めてください。
6-1. ㉖알다系
これは語幹の最後のパッチムがㄹであり、その直前の母音が陽母音である単語群です。
第一語基のみ語幹そのままでOKです。
第二語基は活用語尾がㄴやㅅから始まるもの(니까や尊敬の시)が来た場合パッチムㄹを取ります。そうではないもの(命令引用の라고、仮定の면)が来た場合は語幹そのままの形となります。
第三語基は語幹に아を追加します。
第四語基は『습니다』をつけたいところですが、ㅅから始まる活用語尾が来る場合はㄹパッチムを取ります。パッチムが無くなりますので『습니다』をつけることはできず、『ㅂ니다』をつけることになります。つまり、ㄹパッチムをなくしてㅂ니다をつける、ということです。
例) 갈다 語幹 : 갈 訳 : 替える
☆第一語基
갈겠다
☆第二語基
갈라고、가니까、갈면、가시
☆第三語基
갈아요
☆第四語基
갑니다
(下記表の左右が切れている場合はスクロールできます。)
6-2. ㉗만들다系
これは語幹の最後のパッチムがㄹであり、その直前の母音が陰母音である単語群です。
第一語基のみ語幹そのままでOKです。
第二語基は㉖同様、活用語尾がㄴやㅅから始まるもの(니까や尊敬の시)が来た場合パッチムㄹを取ります。そうではないもの(命令引用の라고、仮定の면)が来た場合は語幹そのままの形となります。
第三語基は語幹に어を追加します。
第四語基も㉖同様、『습니다』をつけたいところですが、ㅅから始まる活用語尾が来る場合はㄹパッチムを取ります。パッチムが無くなりますので『습니다』をつけることはできず、『ㅂ니다』をつけることになります。つまり、ㄹパッチムをなくしてㅂ니다をつけることになります。
例) 헐다 語幹 : 헐 訳 : 壊す
☆第一語基
헐겠다
☆第二語基
헐라고、허니까、헐면、허시
☆第三語基
헐어요
☆第四語基
헙니다
7. 韓国語の用言の活用が解説されている勉強本は?
ここまで韓国語の用言の活用について書いてきました。ネットのみで勉強をするのももちろんオッケーですが、本での勉強の方がはかどる!やる気が上がる!という方もおられると思います。
下記の記事で活用の解説があるオススメの本をご紹介しています。ご参考に!
韓国語の用言の活用が解説されているオススメ勉強本をご紹介しています!
8. 韓国語の用言の活用/活用語尾の練習問題
ㅂ変則、ㄷ変則、ㅅ変則、ㄹ変則に関しての説明は以上です。当ブログでは韓国語の用言の活用、活用語尾に関して練習問題を作っておりますので復習ついでに見てみてください。初級/初中級/中級に分けて作っています。下記のリンクよりどうぞ!
韓国語の用言の活用、活用語尾の練習問題です!
9. まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回パッチム有りの変則活用をご紹介しました。活用を学んでいくとわかると思いますが、第一語基は語幹そのままで、活用語尾(고や겠など)をつけるだけです。第四語基もパッチムが無ければㅂ니다を、パッチムがあれば습니다をつけるという法則になっています。なので実質暗記しなければならないのは第二語基と第三語基と言えるかもしれません。
韓国語(ハングル)の活用は種類が多くありますが、長文をたくさん読むと慣れてきます。ㄹ変則活用とㅅ変則活用が長文の中で出てきた際は、基本形がどんな形であったか迷うことがあります。それでも勉強を続けていくと初めて見た単語でも「ㅅ変則である」、とか、「ㄹ変則だな」、と見抜けるようになってきます。さいごに韓国語の文法や勉強方法についての本ブログの記事を宣伝して終わります(笑)。
合わせて読むと参考になります!
次回も不規則活用を取り上げる予定です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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